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ネットミーム歴史大全&最強ランキング。2chの「モナー」から「現場猫」「猫ミーム」「初音ミク」まで

「元ネタ」を知れば、ネットはもっと面白くなる。
2ちゃんねるからTikTokまで完全網羅。

SNSで流れてくる「謎の踊り」や「よく見る構文」、意味がわからなくてスルーしていませんか?
ネットミーム(Internet Meme)は、現代のネット文化を形成する「共通言語」です。これを知るだけで、動画やSNSのタイムラインが物語のように見えてきます。

この記事では、2ちゃんねる黎明期のアスキーアートから、最新のTikTokトレンド、そして見逃されがちな「画像文化」「ネットスラングの変遷」まで、リサーチデータを元に徹底解説します。

【第1期】テキストサイトと「AA」の夜明け(〜2002年)

通信速度が遅かった時代、主役は「文字」でした。5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)で生まれたアスキーアート(AA)は、文字だけで感情を表現する発明でした。

「モナー」「ギコ猫」といったキャラクターたちが、殺伐とした掲示板にユーモアをもたらしました。また、ゲーム『Zero Wing』の誤翻訳「All your base are belong to us」(君達の基地は、全て我々がいただいた)は、日本だけでなく世界中で流行した最古級のミームです。

【第2期】Flash動画と「画像掲示板」の奇跡(2002〜2006年)

Flash技術により「動くコンテンツ」が登場。『恋のマイアヒ』や『おもしろフラッシュ倉庫』が青春だった人も多いでしょう。

見逃せない「画像ネタ」の誕生(ふたば☆ちゃんねる等)

この時期、2ちゃんねるの裏で「画像掲示板(ふたば☆ちゃんねる等)」独自の文化も花開きました。ここから、OSたん(Windowsを美少女化したキャラ)などの「擬人化文化」が生まれ、後の『艦隊これくしょん』などへ繋がっていきます。

伝説の一枚絵ミーム

チャリで来た:ヤンキー風の少年たちがプリクラに書いた落書き。そのあまりの語呂の良さとシュールさから、10年以上愛される伝説の画像となりました。
彼氏はカレー:「彼氏は」と「カレー」を聞き間違えたインタビュー画像。会話が噛み合わない時の定番ネタです。

【第3期】ニコニコ動画と「共有体験」(2007〜2012年)

ニコニコ動画の発明は、動画に「コメント」を流すことでした。これにより「全員で同時にツッコミを入れる」という一体感が生まれました。

初音ミクなどのVOCALOID、東方Project、アイドルマスターの「御三家」に加え、松岡修造さんの熱いメッセージ動画や、ドナルドのCMを加工した音MADなど、素材を自由にリミックスする文化が爆発しました。

また、この時期に醸成された「野獣先輩」などの非常にアンダーグラウンドなネタ(通称:例のアレ)も、後に語録だけがネットスラングとして一般化していくという特殊な現象を引き起こしました。

【第4期】SNS拡散と「大喜利」文化(2013〜2018年)

スマホの普及で、Twitter(現X)ボケて(bokete)など、短時間で消費できる「大喜利」的なミームが主流になりました。

言葉とスタンプの進化

5000兆円欲しい:ロゴ風の画像ジェネレーターが作られ、誰もが叶わぬ欲望を叫びました。
現場猫(仕事猫):「ヨシ!」と指差呼称する猫のキャラクター。労働災害や現場あるあるを風刺し、くまみね氏によってリファインされ、現代の労働者の心の支えとなっています。

おじさん構文の発見

LINEの普及に伴い、中高年男性特有の「絵文字多用」「ナンチャッテ!」「カナ使い」などのメッセージスタイルがおじさん構文としてミーム化。世代間ギャップを楽しむネタとして定着しました。

【第5期】ショート動画・切り抜き・輸入ミーム(2019年〜現在)

TikTokやYouTube Shortsの時代です。「猫ミーム」などの視覚的なネタに加え、以下のトレンドが追加されました。

1. VTuberと「切り抜き」文化

ホロライブにじさんじ等のVTuberが長時間配信を行い、ファンが面白い場面を短く編集(切り抜き)して拡散するエコシステムが完成。「サロメ嬢」や「ぺこーら」などの口調がミーム化しました。

2. 海外からの「輸入ミーム」

Coffin Dance(棺桶ダンス):ガーナの葬儀ダンサーの映像にEDMを乗せた動画。失敗映像のオチとして世界中で使われました。
Space Cat(宇宙猫):宇宙を背景に虚無顔をする猫。理解不能な状況を表す画像として日本でも定着しています。

3. 音楽バズの高速化

『強風オールバック』や『Bling-Bang-Bang-Born』のように、キャッチーな音楽と踊りがセットになったミームが、数ヶ月単位で入れ替わる高速消費時代に突入しています。

【特別付録】ネットスラング進化論

笑いや感情表現の言葉も、時代とともにアップデートされています。

時代笑いの表現代表的なスラング
黎明期(笑)、わらキボンヌ、逝ってよし、半年ROMれ
過渡期www、テラワロスうはwwwおkwww、スイーツ(笑)
スマホ期草、草不可避マ?、ワンチャン、それな
現在森、大草原チー牛(陰キャの特徴を指す言葉)、親ガチャ、スパチャ

歴代ネットミーム「神」ランキング【完全版】

影響力、生存期間、汎用性を総合的に評価したランキングです。

順位ミーム名選定理由
1位初音ミク(niconico文化圏)音楽、イラスト、動画の創作連鎖を生み出し、米津玄師やAdoなどの現代アーティストを輩出した土壌そのもの。
2位現場猫(仕事猫)「ヨシ!」の一言であらゆるトラブルを笑いに変える力があり、官公庁のポスターに採用されるほど社会に浸透しました。
3位Doge(柴犬かぼす)たった一枚の写真が暗号資産(ドージコイン)になり、世界経済を動かした唯一無二の事例です。
4位野獣先輩(語録)元ネタの文脈を離れ、「イキスギ」「あくしろよ」などの語録が、若者の日常会話にまで浸透した異常な現象。
5位いらすとやみふねたかし氏によるフリー素材。どんな時事ネタも瞬時にイラスト化され、日本のネットニュースの風景を統一してしまいました。

最新トレンド:トゥントゥントゥンサフール

木製の謎のクリーチャーが軽快なリズムに乗る動画。 元ネタはインドネシアのラマダン(断食月)の習慣で、夜明け前の食事「サフール」の時間を知らせる太鼓の音です。
これが「イタリアン・ブレイン・ロット」と呼ばれるジャンルと融合し、文脈など存在しないシュールな笑いとして世界中でバズりました。「意味なんてない、ただ感じるだけ」という現代ミームの極致です。

まとめ:ミームは「現代の民話」である

こうして振り返ると、ネットミームは単なる「おふざけ」ではなく、その時代の技術や空気感を映し出す鏡であることがわかります。

かつての民話や噂話が口承で伝わったように、現代ではデジタルデータとして、誰かの「改変」を加えられながら伝承されていきます。 最新のトレンドを知ることは、今、世界が何に笑い、何に怒り、何に癒やしを求めているかを知ることに他なりません。

さあ、次にタイムラインで不思議な動画を見かけたら、その背後にある「文脈」を楽しんでみてください。あなたはもう、立派なネット文化の理解者です。Created for Meme History Research